WAKABAの お勧めの山(1) |
屋久島の山々 |
私の山の好みははっきりしている。 豊かな原生林と澄んだ渓谷のある山だ。 山の原点は木と水にある、と私は思う。 この二つが豊かである山には、何度でも足を運びたくなる。 屋久島、大崩山などは、かなりお気に入りの山だ。 まずは屋久島の山々を紹介する。(観光案内の要素も含んでいる) 98年5月、99年5月、00年1月と、計3回屋久島を訪れた。滞在日数は計14日。 そのうち雨に降られた日は計6日。(98年の2泊3日のテント縦走を含む) つまり99年、00年とほとんど晴天続きだったことになる。かなりラッキーだ。 「雨が降って当然」という気持ちで行くだけに、晴天の時の喜びは大きい。 自分が晴女であることを確信したのは、屋久島山行の後だ。(ちょっと短絡的かなあ・・・) 【 紹介メニュー 】 ●縦走コース(本ペ−ジ) ●黒味岳 ●モッチョム岳 ●その他(白谷雲水峡、縄文杉、大川の滝) ▲縦走コース 1日目 淀川登山口〜淀川小屋 2日目 淀川小屋〜花之江河〜宮之浦岳〜新高塚小屋〜高塚小屋 3日目 高塚小屋〜縄文杉〜ウィルソン株〜辻峠〜白谷雲水峡 98年5月に、ワンゲル同期生と3人でテント泊での縦走をした。 縦走するなら、絶対このコースをすすめる。 屋久島の山の醍醐味を味わえるコースだ。 入山口は淀川登山口が一般的だが、下山ルートには、白谷雲水峡と荒川ダムが考えられる。 私は断然白谷雲水峡をすすめる。 但し、白谷雲水峡には電話がないので、タクシーを呼ぶ場合は、事前に予約しておく必要がある。 また、降雨の後は白谷雲水峡までの車道が通行止めになる場合があるらしく注意が必要だ。 体力がある人は、楠川まで歩いて下りているようだ。 雨の中の縦走だったので展望がすぐれなかったのが残念だ。 宮之浦岳を後にして新高塚小屋に向かう頃からようやく視界がよくなった。 宮之浦岳までの道のりは、好天に恵まれた00年元旦登山の記憶にもとづいて記述させていただく。 淀川小屋は、屋久島にある山小屋の中では比較的新しく広い。 小屋のそばの淀川清流の美しさは見事だ。 ヤクシカ(左写真)もよく出現している。 早い時間に到着しても十分楽しめるサイト地だ。 小花之江河への登山道を歩いていると、左手に面白い岩が見えてくる。 高盤岳の上に乗っている巨岩なのだが、まるでボンレスハムを切ったような形をしていてかなり面白い。 私達はボンレスハムと呼んでいたが、豆腐岩、食パン岩とも呼ばれているらしい。 ボンレスハムに見とれているうちに小花之江河に着く。 花之江河ばかりが取り上げられるが、私は小花之江河のほうが静かで好きだ。 |
小花之江河 |
ボンレスハム(高盤山) |
花之江河を過ぎるとすぐ黒味岳への分岐がある。 分岐から20〜30分で黒味岳に行ける。 私達は天気が悪かったため断念したが、天気がよければ黒味岳に登るとよい。 日帰りであれば、淀川登山口から2時間半ほどで行けるので、手頃でおすすめだ。 頂上からの眺めは最高だ。 宮之浦岳からの展望に勝るとも劣らない眺めだ。 投石平から宮之浦岳への登山道が見える。永田岳も目の前だ。 翌年99年の5月に黒味岳に登った時は、GW中にもかかわらず登山者が少なく静かであった。 おそらく登山者の多くは、黒味岳に立ち寄る時間的余裕がないのであろう。 縦走したときの私達がそうだったように。 投石平まで来ると宮之浦岳、永田岳が見えてくる。 まだまだ遠い道のりだ。 投石の岩屋はビバークポイントだ。 今までに何度かここを通ったが、いつも誰かしらこの岩屋にテントを張っている。 岩屋を過ぎてからは、見晴らしのよい登山道を歩く。ピークが見え隠れする中での比較的快適な登山だ。 |
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平石付近から見る宮之浦岳 |
山頂は360度の展望。 時間に余裕があれば永田岳にも足をのばすとよい。 縦走したときは、天候も悪かったし、体力的・時間的余裕もないしで断念した。 頂上を後にし、いざ新高塚小屋をめざす。 平石あたりでようやくガスが晴れた。 永田岳の眺めがよい。 展望がいいから休憩するのにちょうどいい場所だ。 |
新高塚小屋にサイトするつもりだったが、予想より早い時刻に到着したので 疲れてはいたが、さらに高塚小屋をめざすことにする。 小屋泊まりなら、多少満員でも新高塚小屋に泊まるほうがよいだろう。 旧高塚小屋は狭く汚いのでおすすめできない。 水場も新高塚小屋のほうが豊富だ。 高塚小屋に着いた頃、ようやく天気も回復してきた。 日没までの間、水を含んだテントやシュラフを乾かすことにする。 水を含んだテントはかなりの重さだ。 友人の歩荷は私の比ではなかっただろう。 |
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縄文杉 |
高塚小屋から縄文杉はすぐだ。 縄文杉は、屋久島を訪れる人が必ず目指すところだ。 ワンゲルの先輩達が屋久島で合宿をした頃は直に触れることができたのだが、今では立派な展望台ができていて、そばに近づくことはできない。 私達が早朝縄文杉に着いた頃、テントを撤収しているパーティーがいた。 あらあらこんな所にテント張ったんですか・・・。 縄文杉そばに水場があるが、ウィルソン株の中の水と飲み比べてみるとよい。 微妙に味が違うそうだ。(友人談) |
縄文杉〜ウィルソン株間の登山道は、縄文杉を目指す観光客の集団で大渋滞だ。 見ると、スニーカー履きで軽装の人ばかりだ。 雨具や水、ヘッドランプは持ってるのかなあ、と心配してしまう。 荒川ダムから入山する人がほとんどだが、このコースの大部分はトロッコ道が 占めている。計4時間のトロッコ道歩きでは足への負担も大きいし、屋久島の山の本当の魅力を感じることはできないと思うのだが、それでもやはり皆このコースを歩いてくる。 その数は半端じゃない。 入山者の急増で、大株歩道は木の根の露出が激しい。 これから先どうなっていくのか気がかりだ。 やはり屋久島の山には入山規制が必要なのかもしれない。 |
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縄文杉〜ウィルソン株登山道 |
長いトロッコ道 |
長いトロッコ道と最後の辻峠への登りは、疲れた足には堪えた。 さすがに3人とも疲れがピークに達していた。 辻峠を過ぎれば、あとは白谷雲水峡が待っている。 苔むした木々の緑は、雨の後だけにとくに美しく、私達はそれまでの疲れも忘れてその森の美しさに感嘆の声をあげてはしゃいでいた。 白谷雲水峡は、屋久島の観光ポイントのひとつである。 30分、60分、150分と3種類の原生林鑑賞コースが設定されている。 最初はスニーカーの観光客に混じって歩き始めなければならないが、観光客の多くは30分コースを散策するだけだ。 さすがに白谷小屋〜辻峠まで足を延ばす人は少ない。 辻峠付近は「もののけ姫」の舞台として使われたことでも有名。 雨が降った後の苔の美しさに見とれ、時間がたつのも忘れてしまう。 何度訪れても飽きないところだ。 時間があれば、一日かけてゆっくり散策することをすすめる。 <写真・紀行文:WAKABAさん> |