第11回:貫山に雨は似合わない

場所 福岡県小倉南区・貫山(福岡県) 山行日 2000.10.8、9(日、月)雨のちくもり
参加者 ・やまびこ会より、25名 なかむとし、山ひとすじ、山ふたすじ、キーボウ、コジロウ、 WAKABA、楓子、ポンヌフ、ヒデ、シゲ、いち、大分市内の後藤、よしくん、 よしくん妻、長女、次女、三女、亜紀、Taka、シュート、シュート女、YUTA、 YUTA妻、長男、次男
・山岳詩人の会より、7名 井出、中島、間田、阿波、内田、李、平川
・ゲスト(14名) 福山、Acer、ノーマイ、TOM、八太郎、やまめ11、はらっぱ、マユピィ、岳、きょん、 いやなぎ、
山好き夫婦(2名)、坂田、久地浦 総勢46名
幹事 YUTAchan & シュート
コース 目白洞キャンプ場 --- 貫山山頂 --- 鬼の唐手岩 --- 広谷湿原 --- 目白洞キャンプ場


<詳細紀行文>by 初参加のいちさん & YUTAchan
<はじめに>
9月に、私(YUTA)とTakaさんの故郷の山、貫山をおすすめの山にUPした。
いつかこの山域でもオフ会が出来たらと思っていたら、思いがけず10月度で実現する ことになった。
幹事に底抜けトリオ改め、やまびこ三銃士のシュートさんを加えて、北九州での初のオフ会(山での)となった。
公開掲示板に掲示したところ、続々と新規の参加希望者が書き込んでくれた。
途中では、私もTakaさんも収拾が付かなくなるほどだった。
以下は、実質的に初参加のいちさんが集合から宴会まで、私が登山の模様 を書いた紀行文である。

第一章 出発から平尾台到着とその光景
10月8日 雨雨あめ・・降水確率量80%。こんな雨の中どこでテント貼るとかいな?  ほんとにあると?初参加だし・・もうやめようと思った気持ちを一気にかき消したのは  Takaさんから「今日はみんな会って飲みたいものです」とのメールの一言だった。
午後1時 早速 リュックに登山道具を詰め込み、小郡の自宅を出発。
 この雨で何人集まっとうとかいなとか半信半疑で国道322号線をゆっくり飛ばしながら  気持ちは 初めての平尾台へとむかった。
福岡県人でありながら 平尾台はカルスト 地形の???くらいの知識しかなく、当然 貫山(YUTAchanの山行紀行で初めて 知った) もどこの山かなレベル。
 午後3時 平尾台センター入口から平尾台へ6Kmの登り道。もう霧で視界がゼロ状態。
 目白洞を聞いて探すが 何度も行ったり来たり・・ ようやく 目白洞キャンプ場着。
 掘っ立て小屋に数人のおっさん連中が立っており、この人たちかな?HP上のTakaさんは  もっとマイルドだったような。。
でもひげをはやし、お玉をもったシュートさんと  万年の緑系のTシャツと半ズボン姿かな?のYUTAchanの姿でやまびこ会と確信した。
 小屋の外は小雨・・中では 嵐の前の静けさというか、右隅では 何を作ってるやら  なべやコンロで調理をする人々。
真中には小屋特製のテーブルが用意され、Acerさん  niftyグループ、山好き夫婦さん、ヤマメ11さん、コジロウさん・・・が座っていた。
大崩山の話や、写真の話で盛り上がり、山の名刺交換も始まった。ハンドル名の名刺の 数々・・ 午後4時以降 nifty山の会のかたがたや山ネットのかたがたなど 続々と集合。
 会は、じょじょに最高の盛り上がりの様相・・すでに36名・・ネットの力、なかむ としさんの人気はすごいものだとつくづく感じた。

第二章 平尾台散策から貫山へ
翌朝 目が覚めるとそこはアルコールの甘い香りの車中だった。
脳天から針をさされ、地球はやっぱり回っている泥酔状態だった。
車窓の外は、なかむとしさんの羊顔・・靴はなく、靴下はぬれていた・・WHY・・NO MEMORY・・  おう平尾台の雨はあがり、程よい登山ハイキング日和。昨日の行いがよかったの だろう。
 昨日 一口も食べてないショート亭カレーを平らげ、早く爽快な気分になりたく 登山準備。
 9:45、総勢30名。本日組の山岳詩人の会のメンバーや、なかむとしさんの 毎日新聞の紹介記事を見て初参加の福岡の女性お二人や熊本の亜紀さんも合流し、 平尾台散策、貫山へ出発した。昨日の霧はすっかりなくなり、平尾台のカルスト 地形と草原は久住高原・連山を思わせるすがすがしい光景であった。歩き出して 30分いい汗がにじみだし、平常心がもどりつつ ひろびろとした草原を歩いた。
(以上いちさん記)

当初の予定では、吹上峠から大平山(おおへらやま)を経て、貫山に至るミニ縦走コース だったが、天候が思わしくないため中峠から登る事にした。
10:00中峠着、所用のあるTakaさんと別れ登山道に入る。
10分程の急登を過ぎれば、なだらかな草原の尾根道である。
登りでは、大平山から平尾台の南端の最高峰、龍ケ鼻(622m)、その向うに香春岳、大坂山、南東にはTakaさんちのある白川の里から行橋市街、周防灘が望めた。
しかし、展望を得れたのはここまでで、急登を登り切ったところでガスの中 に入り、視界はゼロになってしまった。
全く視界がないので、何度も歩いた道ながら 間違えていないか不安になり、どうしてもペースが速くなってしまう。
30人の隊列は 後ろを振り返ると、最後尾が見えなくなってしまっていた。100m以上あったろうか。
まるで、遠足みたいだ。平尾台も中峠を過ぎると、ハイカーの数も少なくなり、標識も ない。
このルートも中峠登山口から貫山頂まで、全く標識はない。あまりにも標識が 多いのも問題だが、北九州国定公園内でここまで何も無いのもどうだろうか。
まして やこの山域はなだらかな草原の尾根なので、非常に迷いやすい。
踏み跡のある支尾根に 入らないように注意しながら、10:40無事、井出浦からの林道にでた。
途中、雨が バタバタと降り出し、慌てて雨具を着けたが、5分もたたずに止んでくれた。
オフロードバイクよけの柵を越えて、滑りやすい急坂を登ると、10:55あっけなく 貫山頂に着いた。
山頂には、一本の標柱があるが、それ以外はなにもない、だらっ広い所である。
貫権現の上宮はなぜか山頂にはなく、これより10分程北(登路と反対)に 下った、自然林のなかにある。
本来なら、北九州市一円から山口県宇部方面、英彦山、 福智山、由布岳、国東半島まで見えるのだが、あいにくの視界で何も見えない。
なんとか雨だけは降ってくれないので、各自弁当類を広げて昼食にした。
朝の早かった 山岳詩人の会のメンバーは、かなりお腹が空いていたようだ。
一番遠くからは、広島市 から来た方がいた。
二日酔いのはらっぱさんは、またもや裸になって昏睡状態だった。いちさんは、なんで? と聞いてしまうくらいの大荷物だった。歩荷トレーニングとの事。

11:59貫山頂出発。下りは、鬼の唐手岩から広谷湿原を経由する事になった。
途中、 山火事での、北九州市消防局職員殉職者慰霊碑に参った。
ここまで来るとガスの下に なり、北側の私の実家のある、津田を含めた小倉南区、新北九州空港の人工島も望めた。
しかし貫山は、スッポリと雲の中で、結局昨日から最後まで、一度も姿を現す事は なかった。
NTT鉄塔から、小さな尾根の踏み分けを左に取り、笹の草原を鬼の唐手岩 目指して歩く。
あまり踏まれていない道なので判然としない所もあるが、気持ちの良い 道だ。
あいにくの天気だが、少しでも平尾台の良さを感じてもらえたと思う。
ヒデさん からも、こんな町の近くに素晴らしい所だと賞賛された。
鬼の唐手岩12:58着。
石灰岩の平尾台に花崗岩が後から貫入してできたもので、北九州地区の岩登りの ゲレンデとなっている。
私も、高校時代、まだ上を目指していたころ、よく来ていた。
北九州の山ひとすじさんも、何度か来たそうだ。
現役バリバリのキーボウさんが、 埋込みボルトや残置の巨大ハーケン(20年前からある)を興味深そうに触っていた。
この岩の東側すぐ下に、有名な天然記念物の青龍窟がある。
Takaさんは、ケービング の会、青龍クラブの会長でもある。
そのTakaさんの自宅近くからは、鬼の唐手岩が よく見える。
岩頭から、電話して手を振ったが、さすがに人間までは確認できなかった ようだ。
ここから広谷湿原まで、急な道を一気に下る。
広谷湿原は、谷が、鬼の唐手岩の貫入に よってせき止められて出来たそうで、実際ここを流れる川は、湿原の出口では盲川と なり、地下に潜っている。
この川が、白川の里を流れる白川の源流であり、その後 長狭川となり周防灘に注がれる。
目の前のさっき歩いた貫山南尾根から向こうに 降った雨は、いずれ紫川となって、小倉の市街地を抜け、響灘に注ぐ。
つまり、貫山 一帯は日本列島を太平洋側と日本海側に分ける、長大な分水嶺の一つでもある。
私は、植物の事はからっきしダメなのでよく分からないが、広谷湿原は食虫植物や サギソウなど、珍しい植物の宝庫だそうで、花に詳しい山ひとすじさん、 山ふたすじさんは、しきりに写真を撮られていた。
昨年、福岡県によって木道が整備され長者原のタデ原みたいになってしまった。立派な 案内板もでき、観光地っぽくなったが、福岡県下唯一の湿原の保護のためには仕方が ないのかもしれない。
広谷湿原で、しばらくゆっくりして目白洞には13:43に着き、解散式を行った。
山には登らなかった、妻と子供達が迎えてくれた。
もう一人の幹事、シュートさんは、 もう既に帰っていた。飲み過ぎで、何度も吐いて、あの薄汚い畳の上で眠っていたそ うだ。Takaさんは、しばらくは目白洞に来た観光客の受付をしていたそうだ。
管理人のおじさんが、腰が痛くて寝込んでいたそうだが、観光客は何の疑いもなく Takaさんに、入口を尋ねたりお金を支払って、Takaさんも自然に対応していた そうだ。留守番の私の妻が、見ていて可笑しくて仕方がなかったとの事。

<おわりに>
今回は、遠くから沢山の人に来ていただきながら、天気が今一つで申し訳なく思う。 大きく秀麗な貫山も、一度も姿を見せてくれず残念だった。
天気のよい日に、是非 もう一度皆さん登っていただきたいと思う。
八太郎さんは、早速好天の翌週登って くれたらしい。
「貫山てこんなに大きな山だったかな」と感じたそうだ。また、福智 や足立、英彦山に登った折りには、是非まーるい山頂の貫山を探して確認して欲しい と思う。
今回ダウンで登れなかったシュートさん、あなたは小倉側登山口に一番近い所にお住 まいです。
近いうちに、山旅人さんを案内して小倉側から登る予定です。
その時は是非 リベンジしてくださいね。

最後になりましたが、前日、最高級牛肉を山ほど差し入れてくださった、苅田町の Takaさんの友人shigellaさん。本当にありがとうございました。
炭焼きや、鉄板焼にして、思う存分いただきました。おいしかったです。

(以上YUTA記)



なかむとしさんの還暦祝いみたいだと皆で爆笑!
(写真提供:なかむとし)

目白洞窟内のやまびこ探検隊。
(写真提供:八太郎)

宴会の挨拶をするなかむとしさん。
(写真提供:Taka)

やまびこキッズも、ごっ機嫌!
(写真提供:ヒデ)

だんだん宴会が盛り上ってきたぞ!
(写真提供:八太郎)

持ってきた酒があっという間にない!
(写真提供:八太郎)

翌朝、目白洞窟前へ勢揃い、出発前挨拶。
(写真提供:Taka)

中峠へ向かって歩く一行。
(写真提供:Taka)

草を掻き分けゆく一行。雨が降らなければなあ。
(写真提供:ヒデ)


(左)皆が登っている間に、眠りこけるシュートさん(写真提供:Taka)
(右)その頃、一行は貫山山頂でハイチーズ!(写真提供:なかむとし)




(左)殉職者慰霊碑にて物思いにふける一行。(写真提供:なかむとし) 
(右)貫山の雄大な風景を見て遊ぶ。(写真提供:ヒデ)         




(左)広谷湿原へ下る一行。(写真提供:なかむとし)          
(右)降りた平谷湿原から鬼の唐手岩を望む。(写真提供:なかむとし)




平尾台で見た可愛い花達。左からウメバチソウ、ヒメヒゴタイ、ヤクシソウ。
(写真提供:山ひとすじ)

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