一粒で三度おいしい(?)クリスマス直前企画

白髪岳(球磨)登山 & 市房山〜二ツ岩縦走 + 宴会@市房キャンプ場

白髪岳登山(2002年12月22日)

市房キャンプ場宴会(2002年12月22日)

市房山〜二ツ岩縦走(2002年12月23日)

コースとタイム

登山口11:05〜三池神社12:25〜白髪岳山頂(12:45〜13:45)〜登山口15:10 宴会開始19:00〜ケーキとクリスマスソング〜フォークジャンボリー〜・・・深夜まで 市房神宮下登山口6:25〜市房神社(4合目)6:50〜5合目7:14〜6合目7:46〜7合目8:15〜8合目8:45〜9合目9:02〜市房山頂9:26〜二つ岩(12:00〜12:40)〜林道終点登山口14:10

参加者

かつら、ぴろりん、かおる、ミラ、百名山 RAN、てつ-2、かつら、ぴろりん、かおる、ミラ、百名山 百名山、ミラ、かつら

紀行文作成

百名山(写真提供も) ミラ(写真提供:ミラ、百名山、かおる、ぴろりん) かつら(写真提供:百名山、ミラ)

白髪岳登山

 ・・・それは初めてではなかった。見たことのある風景、見覚えのある人工物がそこに並んでいる。それから次々に思い出が蘇ってきた。この林道。この標識。このゲート。単なる既視感覚ではない、けれど、いつのことか思い出せない。喉まで出かかっているけれど。はがゆい想い。多分、永遠に、思い出せない予感。三度目の白髪岳だ・・・

6時頃:真っ暗な中で車のキーを回す。慌てて道路へ飛び出したためか、車に荷物の一部を積むのを忘れてしまった。家に戻り、荷物を積んで再び出発。駅でかつらさんを拾って長州港へ向かう。7時過ぎ、長洲港でミラさんと合流して一路人吉盆地へ。高速に乗ると夜が明け始め、空の様子が少しずつわかってくる。晴れて欲しいという願いに答えるかのように、ときおり雲間から光りがこぼれる。

10時頃:免田駅前のAコープ駐車場には見覚えのある福岡ナンバーの四駆がすでに停まっている。買い物のため建物の中に入ると後ろから見覚えのある顔が入ってきた。そこで、ぴろりんさん、かおるさんと再会。買い物を済ませ、2台の四駆に分乗して白髪岳登山口へ向かう。林道はそれほど荒れておらず普通車でも来れないことはない。かおるさんはあの一件から立ち直ったのか、少し遅れつつも先頭の車に付いてくる。2台の車はゆっくりと高度を稼ぎながら白髪岳登山口に到着する。

11時頃:登山口にはすでに2台ほど車が停まっている。登山靴を履き、スパッツを着けて出発しようとすると、かつらさんがスパッツを着けるのに悪戦苦闘している。「そのゴムを外して、スパッツを着けてからゴムをはめるといい。」などと、皆でよってたかって世話をする。登山道は整備され、木の名前を示す標識も多い。「白髪岳を守る会」の人達のおかげだろう。樹木の種類も多い。ミカン科のミヤマシキミが登山道の周囲を埋め尽くしている。ホオノキもある。ガスで展望は良くないが、かつらさんが「ブナには霧が似合いますね」と一言。刈られたことのないブナの森。この言葉の響きに引き寄せられてここに来たのだ。

12時過ぎ:出発から約2時間で三池神社に到着。真新しい屋根、賽銭箱、鉄骨製の柱がある。下山後に登山口で出会った「守る会?」の人の話によると最近作り替えたとのこと。昔の社の残骸が近くに捨てられている。新しい社は、もちろん誰かがボッカしたのではなく、ヘリコプターで運んだのだそうだ。ただし、神社本体の制作費より運搬費の方が高かったとか。

13時前:白髪岳山頂に到着。相変わらずガスで眺望はなし。風はなく、気温も高い。広い山頂で昼食を開始する。ここにずっと以前から見たかったものがある。黒髪山の山頂にある磁器板とペアになっている磁器板だ。白地に青の釉薬で「黒髪山・白髪岳姉妹山調印記念 1992年4月5日」と書かれており、左上には両峰の位置を示す図が、中央下にはここに来る途中に車から見たコシジロヤマドリの絵も載っている。ビールとおでんとうどんでゆっくり昼食を取る。

14時過ぎ:下山を開始してしばらく歩いた頃、面白い形のブナの木を見つけた。枝がブランコのように中央で垂れ下がっている。かつらさんの「誰かがずっと乗っていたのでしょうか?」の言葉にお腹を抱えて笑うかおるさん。昔、木登りが大好きだったというミラさんも久し振りの木登りに少し緊張している。童心に帰り、枝に乗っかったり、写真を撮ったりしてしばらく遊ぶ。来た道を戻り、15時過ぎに下山。登山口で「守る会?」の人と会い少し話をする。朝車を止めたAコープに戻り、夕食の買い物をする。ぴろりんさん達は宴会用の鹿肉を取りに一度家に戻るとのこと。往復2時間以上はかかるとのことで、湯山温泉の元湯へ行きゆっくり湯に浸かる。ここは300円で石鹸、シャンプー、リンスはもちろんのこと、タオル&バスタオルも付くお薦めの温泉だ。

18時過ぎ:市房キャンプ場は湯山温泉から近い。すっかり暗くなってしまった中、受付に着くとすでに誰かが来ているということで、予約していたログハウスへ行くとRANさんとてつ−2さんが出迎えてくれる。暖房が入っていてほっとする。新しく設備の整った宿。玄関横にバスとトイレ。中央にはコタツ。システムキッチンと広いベランダ。テントで寝るのもいいが、たまには少し贅沢をしてこんなきれいな宿に泊まるのもいい。さて、明日のための宴会を始めなくては。

・・・白髪岳にはこだわりがあった。二度目の挑戦は今年の2月だった。その時白髪岳林道は工事中で、林道に入って100mも進まない内に工事用の車に阻まれ撤退し、仕方なく市房キャンプ場から市房山頂を往復した。・・・最初に来たのはそれ以前のはずだがいつのことか思い出せない。ただ、今回登山口に行って一度来たことがあるということを思い出した。多分どこかに遊びに行った帰りに登山口の確認に寄ったのだろう。・・・三度目でようやく山頂に行くことができた。今度は背丈ほどもあるというバイケイソウの花が咲く頃か、ホオノキの花が咲く頃か、それとも迎烏帽子山に福寿草を見に行った帰りに寄ろうかなどと考えながら、山を後にした。

宴会@市房キャンプ場ログハウス

〜〜それは イブイブイブの夜に始まってしまった・・・・・

未明の出来事は誰にも予想できなかった〜〜

楽しい夜でした!白髪岳下山後の温泉はとても良い温泉で市房キャンプ場ログハウスときたら「まぁ!我が家より立派!!」

RANさん、てつー2さんの出迎えがあり、テーブルの上には珍しいご馳走の品々が・・(これは決して島原にも椎葉にもない)

ぴろりんさん、かおるさんの到着を待たずして始まったパーティは鍋も出来上がり冬至には欠かせないと自宅から持ってきたミラ特製の「カボチャ」も恥ずかしそうに並んだ〜

RANさん、「私カボチャが大好きで一個丸ごと食べてましたぁ〜」と言ったか否か既に記憶があやふや・・・・・そこへ登場のぴろりんさん、かおるさんは何と我々のために「鹿肉」を持参してくれたのです。「ご馳走様!」

パーティは仕上げのクリスマスケーキに突入していた。RANさんの生ライブ、てつー2さんのギター、百名山さんのフォーク、これが果てしなく続くかのように思われたが、その頃私はビールがすすまなかった・・・・・・この私が・・・である?

 

一瞬よぎる「明日」の市房のこと「心して飲まずに登ること」タイミングよく電話はTakaさんだった〜「飲んだら登るなぁ〜」ですよね・・(笑い)

私はその時「登ったら飲めるかぁ〜」などと心の中で既に下山後の事を思っていたのだ・・!

たくさんの方からメールあり、電話あり、嬉しい激励だった!

市房組は特別待遇でベッドに入り後は静かにその時を待つはずでしたが・・・・・

 

夜中何か気配を感じる。幾度となく出入りの気配。そしてそれが今回の隊長百名山さんの隊長体調不良とは・・朝まで気づかない私だったのです〜

夜中に目が覚めた私が百名山さんへ言い放った一言。「まだ3時だよぉ〜ムニュムニュ・・」

その後も続いていた百名山さんの苦しみもつゆ知らず夢の中で飲んで歌い続けた私だったのだ・・・こんなミラねぇを許してね、百名山さん!!

 

そして朝は来た・・・・市房への朝だった・・・・続く!

市房山〜二ツ岩縦走

 目覚まし時計は必要なかった。午前4時40分、RANさんが朝食の準備を始めた。5時前後には全員が起き出し、昨夜の鍋にごはんを入れた雑炊の朝食をとる。

隊長の体調がすぐれないということで(注:誓って二日酔いではありません)大事をとって縦走は断念し、市房山往復にコース変更を決めた。

 午前6時過ぎ、まだ外は真っ暗だった。百名山さんが車をターンしようとしたところ、側溝に前輪が落ち込んで抜き差しならぬ状態に。板をタイヤの下に差し入れ皆で押したり引いたり。無事バック出来たときには歓声があがった。ぴろりんさん、かおるさん、RANさん、てつ2さんに見送られて、3名の市房登山隊、波乱万丈の出発だ。

 三合目の駐車場に車を止めて登山準備、12月も下旬だというのにセーターを脱いでも寒くない。ヘッドランプをつけて歩き出す。ランプの灯に浮かびあがる杉の幹の太さは壮観だった。一合目からの登山道と合流し、スーパーモデルの足の長さに合わせたかのような石段を苦労して登ると市房神社に到着した。ここで辺りが明るくなってきたのでヘッドランプをはずす。思いのほか頭が軽くなり、周囲の明るさでずいぶん歩きやすくなることを実感した。ときおり鹿の鳴き声が響く。すぐそばにいそうで、木々の間に目をこらすが姿は見えない。

 5合目から7合目までが急登できついらしい。休憩をとって歩き出す。不調だった百名山さん、妙に足取りが軽い。

「調子が良くなったみたいですね」

「…縦走しようか」

「えっ?」

「あ、ロープ置いてきたかもしれない」

ミラさんとかつらを縦走路で引っ張るための必携品だ。

「じゃ、やっぱり市房往復ということで」。しかし…、

6合目で休憩しているとき、「あった」の声にふりむくと、スリングを手に百名山さんが笑顔を見せていた。縦走への執念のなせる技か。

何合目かを示す標識の一区間をおよそ30分で歩いているという。9合目は標識がないと聞いていたので、8合目から頂上は30分だろうか、それとも1時間だろうか、と悩んでいたところ、9合目を示す真新しい標識が現れた。ごく最近設置されたものなのだろう。

 山頂は晴れていれば抜群の展望なのだそうだが、あいにく霧におおわれて360度真っ白な世界だった。…ブナ林には霧がよく似合う。

 記念撮影をすませると二ツ岩への縦走路を下った。色の少ない冬景色の中、アセビの赤い花芽が美しい。次にザックを降ろしたのは、岩の間にはさまって中空に浮いているようなチョックストーンの前だった。上から見ると中央が狭い通路のようになっており、そこへ降りていくこと自体は写真で見て想像していたよりも難しくない。だが、岩の上に座るのはやはり恐ろしく、ずり上がるようにして岩の上に腰を据え「顔がこわばってる」と笑われながら写真をとってもらった。じっとしているとさすがに冷えてきて、ここで再び上着を着こんでさらに下っていく。下れば上りがあるのは理の当然、とはいいながら、急登の連続にやや閉口しつつ足を進める。崩落がすすんだ路で、親切にも「危険」「危険」「危険」と並べられた札がさらに不安をかきたててくれた。地表が凍結していればさぞや緊張したことだろう。ときおり霧が晴れ、山の斜面を日光が照らし出す。

やがて大きな岩山が見えてきた。あれが二ツ岩だろうか。しかし、近付いていくと人吉カメさんの「あと5分」の標識があり、時間的に推測すればこれを超えてもう少し向こうだろうとのことだった。

 岩山の上り始めはロープが取りつけてあるが、足の置き場がわからない。どうやって登ったものか。とりあえず一歩、二歩、三歩目の置き所がなくずるずると落ちてしまう。再挑戦。思いきりロープに頼って岩にしがみつく。中ほどに木の根の残骸があり、体重をかけるのはためらわれたが、どうしようもない、なりふりかまわず手をかけて体をもちあげる。さて次の足をどうしたものか。「ほんとはいけないんだけど」左足をクロスさせて右側にだす。反則技を積み重ね、ようやっと這い上がった。

 次にミラさん、最初の足の置き場にとまどったようだが後は難なく登ってきた。ラストの百名山さん、なかったはずの足場はどこにでもあるようだった。すいすい登る様子を見ていると、自分にもうまく登れそうな錯覚を覚えた。

 そこから急な岩場を少し登ると二ツ岩の頂上だった。折よく霧が晴れ、北西側の展望が広がった。三人の日ごろの行いの良さに感謝しつつ記念撮影。風のあたらない斜面に座って昼食休憩をとる。笹に囲まれた日だまりは居心地よく、温かい飲み物などをとりながら幸せな気分だった。

ぴろりんさんに出迎え依頼の連絡をとって下山開始。急な坂が続き、泥や湿った岩が滑りやすく足元に神経を集中させる。可愛らしく滑るミラさんに静かに滑る百名山さん。滑り方ひとつにも個性があらわれるものだ。

 途中ぴろりんさんからもう下山口に着いていると連絡の電話があり、百名山さんに先に下りてもらった。ミラさんと二人よもやま話をしながら杉林の中をえんえんと下り、迎えに来てくれたぴろりんさんとかおるさんの笑顔をみつけたときは、疲れも吹き飛ぶ思いがした。

 この日の市房山〜二ツ岩縦走、「感激した」とか「満足した」とか、そういったことばではうまく言い表わせない気分だった。山から下りてきた私たちにぴろりんさんとかおるさんが「とってもいい顔しているね」「山の精気をもらってきたんだね」といってくれた。

 ぴろりんさんたちと別れ、前日と同じく湯山温泉の「元湯」に寄った。髪を洗って露天風呂へいくと、ミラさんが福岡から来た女性二人連れと話していた。お二人もこの日市房山を往復してきたそうで、縦走にかかった時間などを聞いて「私たちもこの次はがんばろうね」「お先に」と上がっていかれた。ミラさんによると「今日市房に登られた方ですね」と話しかけてこられたそうだ。登山途中で人に会った覚えはないが、どうしてわかったのだろう。

「顔に書いてあったのかもしれませんね」

「『市房山に行ってきました』ってねー」

「得意満面!」

「鼻高々〜」

笑いながら風呂を出た。

 脱衣場ではミラさんが体重計の目盛りをみて喜んでいる。

「山ではやせられない」というやまびこ会のオキテを破るめずらしい山行であった。

今回の山行をご案内下さった百名山さん、ミラさん、わがままな市房登山隊を暖かく応援してくださったぴろりんさん、かおるさん、RANさん、てつ2さん、助言・励まし・ご心配くださったやまびこ会の皆さん、本当にありがとうございました。

オフ山行記録もくじへ








inserted by FC2 system