では、最後に、ブロッケンさんの、今回の縦走メニューを紹介して終わりにします。

(文中、ブロッケン=brocken=brocken03さん)


 (写真―17、おおのこ、このこ)

<何を食らって5日間を生き延びたか>

 山登りは人生だ! だからことわざや名言って山登りのため にある。その意味するところの真偽は別として。

酒無くて なんのおのれが 登山かな
泰山は酒肴を譲らず
人はパンのために登るにあらず、されどパンなくして登るにあたわず

文字どおりのパンは普通持っていかない。今回の昼は握りと オールレーズン(商品名)、他にロールケーキを手に入れるつ もりだったが、食料調達の店で¥153に恐れをなし他で ¥100を探そうとしみったれている内に買いそびれてしまった。
 それよりラードがない。もうほとんど売っているところがな い。仕方がないので、中高年にはあまり薦められない脂身の多 い豚肉を材料に、それ自身の油で固めてペミカンにする。
 米6合を研いで乾燥し、他に4合の御飯を炊いて1合握りを 4ヶ作り、ペミカンを袋詰めにする。一人分だから調味はほと んどインスタントとなってしまった。何とかの素と飲物・調味 料を救急品と一緒に詰め込んでエッセンパックとする。夜が更 け、朝が来て第一日目となる。

● 第一日 夕食

 1合握りを少量の水で蒸しなおした御飯
クリームシチュウ ペミカン40g,ジャガイモ1個,タマ ネギ半個,人参1/4本,シチュウの素
  一人分、となると、小麦粉をバターで炒め云々なんてやって られない。充分おいしいシチュウの素を使う。「素」は薄目に 使えばクリームスープになるし。

● 第二日 朝食

蒸し直し御飯,カワハギというふれこみのみりん干し,こう なごの佃煮,味付け海苔,インスタントしじみ汁

● 第二日 夕食

 松茸の味ブナシメジ飯(三人前)米3合、ブナシメジ60g、 人参1/2本、煮干しだしの素4g、松茸の味お吸い物2袋、 天つゆ少々 インスタントしじみ汁
 これは究極の代用食のひとつ。松茸なんてまず口に入らぬの で、それに違いないと思いこめる香りがある。醤油と砂糖で味 を調えたいところだが、何でも入っている天つゆでこれも代用。  元々これは私の3食分だった。一度に炊けるからということ でTakaさんを交えた3人の夕食にして、代わりにスパゲッティ と味付けα米各1袋をもらった。

● 第三日 朝食

 夕べ バーターしたα米、これも味付けはキノコ飯だった。最 後のインスタントしじみ汁,こうなご

● 第三日 夕食

予定は回鍋肉である。さりながら杉が越には 「ささのや」のゆり女将の大接待が待っていた。なんと飯まで 炊いてもらった。結局持参品は何も使用せず。

● 第四日 朝食

たっぷり残った飯と鍋で雑炊にする。それに いろいろおみやげまで頂いて・・。いやあ、涙をのんでお断り する方が大変だった。ありがとうございました。

● 第四日 夕食

 御飯 米2合(明日の昼分を含む)
 肉ジャガ ペミカン120g,ジャガ芋2個,玉ネギ1/2 個,高野豆腐2片,ブナシメジ少々,煮干しだしの素4g,ウ インナーソーセージ150g,白だし
 回鍋肉 ペミカン80g、キャベツ1/6個,回鍋肉の素( 2人前)1袋
 この夕飯で最後、一切合切たいらげん〜♪、というわけで品 数が増えた。
 肉じゃがは私の夕食とみんなのつまみを兼ねる。これで3人 前。もちろん豆腐は普通入らない。ウィンナーはこの朝使うつ もりだったもの。これをおでんつゆの「素」でごまかす予定だ ったが、「ささのや」で白だしを見て色気を出したが良くなか った。分けてもらってきたうれしさのあまり味も見ずについド バドバと・・・。すさまじくしょっぱいものになってしまった。 優しいNRBさんは食べてくれたけど・・。
 回鍋肉は夕べの夕食予定。キャベツの今朝の朝食予定分も加 えたので2人が持参の鍋ではピーマンがあぶれた。これもつい つい白だしを加えてしまった・・しょっぱい!

● 第五日 朝食

 雑煮:もち3切れ,白菜100g,ブナシメジ少々,味は粉 末うどんだし。
 何か物足りない・・、ああそうだ、ペミカンを少し残してお くはずだったのだ。結局肉なし。


● 第五日 番外

 別動隊?に鹿納山でもらったバナナにゼリーがやけにうまか った〜な。

 というわけで、大して飢えることもなく無事に宇土内に到着。

<余計ですが用語集>
 ペミカン  元々は北米先住民の保存食料で、干肉の粉末を油で 固めたもの。転じて日本ではラードで炒めそのまま 固まりにした肉を指すようになった。 
 煮染め肉  上には無いが肉の保存法のひとつ。名称のとおり 煮詰めて作る。佃煮状のものとだし汁だけで作る ものとがある。
 エッセンパック  単独では紛失しやすい調味料・飲物や調理用小物を 入れた袋。ドイツ語の食事から。後半は英語なので、 和製語と思われる。
 ガチャ袋  金物の登攀用具を入れた袋 をいうことが多いが、 お玉・しゃもじ・フライ返し など、長ものの調理 用具を入れた袋 の意味で使うところもある。今回 はそんな大きなもの(?)は持っていってない。
 レーション  (またはレーションパック)一回分もしくは同種の 食材をまとめて一包としたもの。今回は皆包みが小 さく、これも必要としなかったので上には出てこない。


おわり



  (写真―18、鹿納坊主にて)


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