■5月3日(月)■ NRB記

あたりが白み始めた。北東の方向に灯りが見える。食事を済ませ、テントを撤収。 気温8℃、やや寒い。しろしかさんにTEL。朝早くに申し訳ないが、ネットで 天気図を調べてもらう。前線が支配して、沿海地方に2個の低気圧があるとのこと。 絶望的な予報だ。
「ほぼ中止かなあ。最終判断は明日夜、ササさんの情報を聞いてからすることにするんで、 ドライブがてら来てみる?」
と伝えると、
「自分はこの天気だと先が読めないので、中止することにします。」
との返事。彼は、杉ケ越から夏木を経て鹿納の縦走を、めったにいけませんから、、。 と、ファミリーからの白目チョップをかわしての、参加予定であったのだ。 我々の中止か続行かの判断はもう少し後に回して、とりあえず3人で出達する。


笠松を過ぎて、九十折小屋へ。昨日声を掛けた外人の若い男女がいた。彼らは、テント 泊をしていた。昨日の夜は、この小屋は、たぶん30人以上の宿泊客で、満員状態 であったろう。大阪からのツアー客ともう一団体がメインだったようだが、団体で 無人の山小屋(あまり広くない)を利用するのであれば、ツアーの主催者は(特に GW期間中は)テントは必携と呼びかけるべきであろう。ぎゅうぎゅうになって、 気の弱い少人数のメンバーが、はじき出されることも充分考えられそうだ。


先を急ぐ。杉ケ越分かれを左に行き、前傾に取り付く。昨夜来からの雨で、岩場の泥 がベトベト状態。ところが傾山頂は、雨の形跡がない。標高が高いので雲の上に出て いるためだ。当然、ガスで下界は見えない。風もビュンビュンであるが、吹き飛ば されるほどではないので、多分15m/s程度であろう。ここで写真を撮って、 TAKAさんと別れる。彼は三つ坊主の方面に降りるとのこと。この時点ではまだ続行 するかどうか決めていなかったが、今後のお互いの健闘を祈って握手して分かれた。


山頂下でケイタイが繋がったので、しろしかさんが来れたら心配しなくてもいい 今晩の酒の量が気になって、延岡のササさんに
「焼酎五合おねがいね〜、銘柄は何でもいいから〜。」
お願いし、酒を確保。 そして、気になる天候だが、ネットで天気配置図のデータをコピーしてきて頂く よう重ねてお願いする。分岐まで戻り、くだりにかかる。合計20回のUP-DOWN があったろうか。水平距離の割には、上下移動が大変だった。標準の下りで4時間 というのは、九州では、なかなかない。結局下る時間だけで5時間以上かかった。 中腹で薄日がさしたとき、下の谷と、杉ケ越の鞍部が見えた。そして段々の稜線が 延々と続く。ハシゴあり、ロープあり。最近、転落事故もあったそうだ。心して下る。

最低鞍部に来るが、トンネルが見当たらない。15分くらい進んで、もう、新百姓 に登りあがろうとする頃、大明神越神社が現われた。右手に下ると、杉ケ越しの トンネルで、ササさんが待っていてくれた。
「やあやあ」
と握手して、テント場まで車に乗せてもらう。


遠くに知り合いがいるというのは、ありがたいものだ。今回、ササさんには、 連休期間にも関わらず、3日夜の鍋と5日の送迎を快く引き受けていただいた。 感謝、感謝である。


デポしていた、残り2日分の食料と着替え・夜用のランプを回収する。まず、 体を拭いて、着替えることにした。髭をカミソリであてると爽快な気分。ササさん が用意してくれた、湯豆腐で宴会の始まり。ツミレがおいしい。軟骨がはいって いて、プリプリとした食感がなんともいえない。となりに陣取っていた、北九州 の夫婦連れも加わり、遅くまで宴会は続いた。ここに、なかむとし代表と、しろしか さんたちが来ていないのは、残念であった。
brockenさんと900ml、知らぬ間に沈没してしまっていた。


(写真―7、祖母山頂にて (TAKA、brocken03、NRB)

<三日目の付録> brocken03記

 幕場から九折峠は指呼の間、小屋にはすでに宿泊者の姿はなく、昨夜の 修羅場を忍ばせるのは残された十数個のザックのみ。もう一度「見たかった なあ」といいあったものだ。

 峠から傾山は本日唯一の「公式の」上りである。かみしめて登りたいと ころだが、頂上直下は岩の間の泥濘の上りとなった。泥んこ遊び大好きの 子供もいやがるだろうぬかるみの中を、それでも大人は皆笑顔で登ってくる。

 傾でTakaさんと別れて、二人は杉が越に向け急斜面を下った。岩なら 何とかなるものを、泥の急傾斜なのでフィックスドロープに頼らないわけ にはいかない。誰が最初につけたロープにハシゴなのか?登りながら? 下りながら?加えて後半はもぐりの上りがたたみかけてくる。いいかげん うんざりしたあげくに、林道が見えてから「まだ下らないのか」と切れか かったあげくに、ささやのとびきりの笑顔が待っていた。女将は全く我々の 接待だけのために泊まり込みに来たのである。ホントにお世話になりました。


(写真―8、旅荘「ささのや」の女将)


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