■5月4日(火)■ NRB記

爆睡したので、早めに目が醒める。あたりは綺麗に片付いている。(申し訳ない 手伝わなくて、、) 昨晩、ササさんが炊いてくれた、白ごはんが、手付かずで あまっていた。brockenさんが、鍋の残りダシでえ、おじやを作り始めた。いい ダシが出ていそうだ。
これから先、道中、よく考えると、水場がない。朝夕、二日分で4個のレトルト 食品に、お湯を入れて備えておくことにする。ササさんが昨日持って来てくれた 手写しの気圧配地図を参考に、昨日の夜9時の時点で、中国沿海地方に高気圧が あったので、先は雨が上がるのを信じて、続行を決める。

だが、出かけようとすると急に雨足が強くなる。これから先危険だから、行くな  という知らせなのか、、。ズルズルと出発の時間が延びていく。7時半。
「雨が止むのを待ってても仕方ないから、いきましょうかね〜」
のブロッケンさんの一言でためらいも失せた。杉ケ越まで、ササさんの車で送っ てもらい、45分、別れ際に御礼を言って出発した。

  (ササさん、今回いろいろお世話になりました。
    ここを、旅荘「ささのや」と称し、
   末代までこれをたたえることとします。(^^))

大明神の横を通るので、祈願に寄る。「家内安全、無病息災」と念じて100円 を賽銭箱に投げ入れる。小雨から本降りに変わる。新百姓の手前で、昨日同じ広場 に車を停めていた、呑めない中年男性(昨晩、一応お誘いしたのだった)が、追い ついてきた。山頂で、しばらく休憩しながら話し込む。桧山まで同行したが、彼は
「夏木まで行く予定だったが、この分では、長崎までの帰りの時間がなくなる」
ということで、ここで分かれた。私のペースも、ずいぶんと落ちている。食料の 追加、装備の水ぶくれ、水を3L積んでいるので、ダラダラの登りもあってか、足が 上がらないようだ。brockenさんが、
「2L持ちましょう」
と言ってくれたので、 道中も長いし、タイムが遅れるのも先がつらいので、今回甘えることにした。

大のこ、小のこ の 3つ目下りが、降りづらい。アバラ骨のように左右から セリ出た岩を掴みながら降りるのだが、手がかりがない。先に降りたbrockenさん の指示どおりに足を運び、ようやく着地。

犬流れ越で小休止。ここは、ちょっと間違いやすいので注意。標識がすこしズレ ていて、進行方向に向かって11時の方向に進んだものだから、藤河内からの 犬流れの登山口に向かってしまっていたのだ。
「おかしい、、、こんなに下るはずはない」
と、協議の上分岐のところまで引き返す。ここで長い休憩をしなければ、 多分真っ直ぐ行ったであろう、登り気味の直進道があった。40分程度のロスである。
「まあ、みんなには、登山道の偵察ということにしとこう」
とbrockenさん、、。
「ふむふむ、では、そういうことに、、。」

ようやく鹿の背についた。雨模様の天気で、今回の最大の難所だ。ハシゴが天に 向かって伸びている。越えるのはやめてトラバースするが、これもまた怖い。 前回POPOPOさんたちと通ったときは、濃いガスで3mも視界がなかったの で、直下が見えなかったのが幸いしたが、今日は、少しながら崖下が見えて、足が すくみそうだ。なるべく下を見ないようにして、カニの横ばいでロープを握りな がら進む。ここに一輪のヒカゲツツジがさいている。なぜかホッとする。渡りす ぎてこれを写真をとると、向こうにシャクナゲもまた一輪。なかなかサマになって いる。ここらあたりの崖の谷側は、ヒカゲツツジが多い。やや進むと、高いのぼり。 足が一回で掛けられない。やっとの思いですがりあがる。女性はかなり難儀するだ ろう。シュリンゲがあれば登りやすいのかも知れない。ややすぎて、鹿の背を見渡 せる場所に出たので、写真を撮る。今日は来れなかった、しろしかさんの名前を もじって、「ここを、しろしかの背、と呼ぶことにしよう!」と二人で決めた。

夏木新道分岐から、2つ目のピークが山頂である。ここらあたりは、もう、アケボノ はすぎて、シャクナゲが満開となっていてそれなりに綺麗だった。山頂でお湯を 沸かして、スープなど飲みたかったが、あとの時間のこともあるし、着いてから ゆっくりしようと、先を急ぐ。要(かなめ)から右に折れ、なだらかな鞍部に出た。 ここで野営かとも思ったが、できるだけ先に行っておこうと、ピークを一つ越え、 五葉手前の鞍部で平場を見つけここでツェルトを張ることにした。

brockenさんは、スズタケを刈って、簡易テントを作るつもりだったようだが、
「狭いけど、ツェルトで何とか2人は寝れますよ。」
というと、
「それなら、手間が省けた。」
といって、彼は、早速得意の料理にかかる。ジャガイモやタマネギ、 きのこを切って、豚肉のペミカンなどを入れ、ササさんから貰った、しらたきを、 どばーっといれる。
「うーむ、ちょっと大胆、、、。」
案の定、塩辛さは普通ではなかった。 焼酎は余っているのだが、明日の残りの分を考えると、水を使うのはこれでおしまい。 お湯が足らなくて、酒が余るなんて、初めてのことだ。夜中、目が醒めると、 月が煌々と輝っている。上にあるのに大きい。明日はきっと晴れ、の予感がした。


(写真―9、ヒカゲツツジとシャクナゲ(鹿の背))

<四日目の付録> brocken03記

 朝はまた真面目な降りで出発が遅れる。つまみ、じゃなくて食糧も たっぷり残っていればほんの少し下に温泉もあるらしい。なぜ再び雨と 泥んこの中へ突撃してしまったのか見当がつかぬ。

 泥で滑ってコケまくるもなんとかめだたぬお尻でたどり着いた(主観 の問題です)犬流れ越、確かに藤河内へ間違えたのは私だが、  「偵察にしよう」といったのは私ではありません(きっぱり)。私の辞書  は偵察・試登、そのたぐいの言葉はありません(これまたきっぱり)。 そんな高い辞書は買いません!(O型風断定)

 夏木山をすぎるとシャクナゲが、木の数の割に花は少いが、いい色で 咲いていた。この夜はNRBさんのドームツェルトにお世話になって、 結局四泊すべて他人の家(ヒトンチ)泊まりである。これも初めてだが、 楽でなかなか悪くない。

 それが理由になったわけではないけれど、私のテントの一部(巷では 傘と称している)は2日目に骨が外れていたのだ。しかし折れてはいな かったので嵌め直すことができた。 修理もできたし雨も上がった。 明日ぐらいは青空の下気持ちよく歩きたいものだ


(写真―10、しろしかの背のトラバース)


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